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バリーのGreenTのレビュー・感想・評価

バリー(2016年製作の映画)
2.0
オバマ元大統領の伝記的映画です。

背景は1981年のニューヨークで、コロンビア大学に入学するために、バラク・オバマはハワイから上京してくる。お金はないのでハーレムのボロボロのアパートに、白人の学生とルームシェアをする。

オバマ大統領のこの頃のあだ名はバリーだったらしくて、バラクという本名は、最後に一度しか出てきません。

バリーはいつも「僕のシーンじゃない」という言葉を使うのですが、「シーン」っていうのは、ムーブメントというか、若い時って、自分が属する「ムーブメント」ってあるじゃないですか?そういうのが見つからない、ってことをいつも言ってるみたいなんですね。

アニャ・テイラー=ジョイが、バリーの白人のガールフレンドという設定で出てくるのですが、この娘の家は特権階級の白人。自分が住んでるハーレムでバスケットボールをやる仲間は貧しい黒人。お母さんは白人なので、ズブの黒人でもない。ハワイとかで育っているので、ハーレムの黒人たちはバリーにはタフすぎる。白人のガールフレンドがいると、ハーレムではジロジロ見られる。

なんかそんな感じで、自分の属するグループを見つけられない。

基本的に日本人しかいない日本でも、居場所が感じられないことがあったので、この気持ちは理解できるし、特に大学に入ると今までより広い世界に出るから、こういう孤独感は感じるんだろうなあと思いました。

映画はこの頃の体験が、オバマ大統領の性格を構築したみたいな描き方をしたいのかなあと思ったんですけど、本人は制作にかかわってないみたいなんですよね。1995年のオバマ大統領のベストセラー “Dreams from My Father,” にインスパイアされた、とあるだけで、それが原作本ってわけでもなさそうだし。

オバマ大統領の話でなかったら、特にどうってことない映画だなと私は思いました。
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