Yu

バリーのYuのレビュー・感想・評価

バリー(2016年製作の映画)
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ここは映画のお話をする場所で、自分の立ち位置やら、政治やら、正義やらのお話をする場所ではないと思っています。

アニャが見たくて視聴したNetflixオリジナル『バリー』はバラク・オバマのサクセスストーリーではなくて、全員が抱える漠然とした問題の輪郭を素手で確かめるような映画です
実際のバラク・オバマの若い頃は知らないから映画の中の話として捉えるほうが楽しめるかと思う。

問題がなければ正解も不正解もないという状況の1980年のニューヨークには、正直かっこよさとか、楽しさを全然感じませんでした。

でも時間がすぎるだけ、ってわけでもなく、何かを待ってる、ってわけでもないのに、何かが変わる分岐点に差し迫っているような感覚を覚える

これは今だからこそ言えることなのか、当時の人も感じていたのか、そんなの知る由もないんだけど、40年が経とうとしている2019年にも同じような雰囲気を感じます

自分自身は生まれつき、どこにも居場所がないっていうことはないし、周りにもそんな人はいないと思っているし、これからもこの考えはあまり大きく変わらないと思う。

こんなふうに視野が狭いと、視野が狭いことには気づくことはできても、改善が視野に入らないから広がることはまずないと思う。直進すれば見える景色も変わるしね

景色が変わるのは面白いし成長を感じられる瞬間は誰だって嬉しいけれど、変わっていく景色は問題の一部を見て一部を解決してるにすぎないのかもしれないです

バリーは視野が広かった。視野を広く持って前に進まないで観察していました。でも視野の広いただの変わり者、将来大物って感じではなく、あの立ち位置に生まれついてたまたまそうなっただけって感じ。

黒人にも白人にも馴染めない悩める主人公はドラマにぴったりなキャラクターで自分もちょっとなってみたいと感じちゃう。アニャとも付き合えるしね。

大きな課題に立ち向かいたい、悩んでみたい、主人公になりたいとは誰だって思うことなのに、どうしてこの現状に対しては自分含め誰も見向かないのか、政治はダセーし必死なヤツを見ると自分の問題片付けてからにしろって思うけど、そんなふうに思うようになったのは誰の責任だって思ったときに、問題が漠然としすぎていることにやっと気づける

バラク・オバマはこの問題の輪郭を誰よりもはっきりと見据えていたからアメリカの黒人大統領になれたんじゃないかなって思いました。

これは映画の『バリー』を見た感想で、大統領が何なのか、政治がどーだとか、きれいだ汚いだとか、そ~いうのは全然興味ないです。でも爆発しない映画も楽しめるってことを知りました〜!
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