粗っぽさと安っぽさは全く違うもの!
ほぼ10年ぶりのシリーズ最新作となった『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
ただ…… このシリーズが大好きな自分としては、あまりにも微妙過ぎる出来に残念を通り越して悲しくなりました…
『エクスペンダブルズ』としては色んな意味で残念過ぎる仕上がり…
当初は3作目に引き続きパトリック・ヒューズが監督を務める予定でしたが、色んな事情で降板。しかもスタローンも製作陣と方向性をめぐる創造的な相違のためにシリーズから離脱…… そして1〜3でエクスペンダブルズメンバーのシーザー役のテリー・クルーズはスタローンの元代理人のアダム・ヴェニットという人に性的暴行を受けたと主張。しかし本作にもプロデューサーとしてクレジットされているハリウッドのベテランプロデューサー、アヴィ・ラーナーから"シリーズに残りたければ訴訟を取り下げろ"と圧力をかけられたと主張し、4作目である本作への出演を拒否するなど、なかなか残念というよりも嫌な事情だらけ…
そこに来てコロナのせいで製作がなかなか進めず……
だからなのか本作『エクスペンダブルズ ニューブラッド』はこれまでのシリーズとは違い、全編グリーンバックで撮影したのか?ってくらい見て分かるCGクオリティ… アクションシーンはもちろん、アクションシーンではない前半のニューオーリンズの場面まで酷い背景丸出しでとにかく全編安っぽい……
『ネイビーシールズ』や『ニード・フォー・スピード』など本物のアクションを追求していたスコット・ウォー監督。色んな事情が重なったんだと思いますが、本作は間違いなくスコット・ウォー監督のワースト作品。
またこのシリーズの良さまでもが損なわれているのも無視できない。
そもそもこの『エクスペンダブルズ』は『ロッキー ザ・ファイナル』、『ランボー 最後の戦場』で自分のキャリアに落とし前をつけたスタローンが今度は自分の仲間たちの落とし前を作るという目的に作られた作品。
1980〜90年代のかつてのアクションスターたちの同窓会的な映画であり、1〜3作目は多幸感に溢れた作品でした。
しかし新キャストのミーガン・フォックスやイコ・ウワイス、アンディ・ガルシア、トニー・ジャー。彼らがそこに加わるのはちょっと違う……
ここにいるべきなのはカート・ラッセル、ダニー・グローヴァー、ニコラス・ケイジであるべき。他にもマイケル・ジェイ・ホワイトや一時期出演すると噂されていたピアース・ブロスナン。
『エクスペンダブルズ3』の時点でベテラン勢と若手メンバーの"交流"は描いていたので、今からまた同じような展開、しかも3の劣化版を見せられるのはかなりキツかったです……
ここで僕が考えたエクスペンダブルズ4、いやこれで5を作ってくれ案を紹介。
監督は『クリフハンガー』のレニー・ハーリン、脚本はスタローンと『リーサル・ウェポン』や『ロング・キス・グッドナイト』など80〜90年代アクション映画の基礎を作ったシェーン・ブラック。
悪役は『マイアミ・バイス』のドン・ジョンソン。旧友の元エクスペ創設メンバーとしてカート・ラッセルとニコラス・ケイジ、バーニーの元嫁としてブリジット・ニールセンがカメオ出演。
2のチャック・ノリスや3のハリソン・フォードのようなレジェンド枠としてクリント・イーストウッドも出演。実はバーニーが持つSAAは実は彼の持ち物だった…… みたいな展開が見たい……