うるぐす

三度目の殺人のうるぐすのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.1
難しい!!!
とにかく何を言えばいいのか、今ここに何を書いたらいいのか、非常に難しい。
観終わって爽快!なるほど!スッキリ!とは思わなかった。でも、だからと言って面白くなかったわけでもなく。他人にオススメするかと言われたら微妙だけど、観ない方がいいとは言えない。一生に一回くらいこんな映画と付き合うのはアリだと思う。だから、観てほしい。観るべき。でも、朝行くと胃もたれるんでオススメしません笑 今まだお昼なのにぐったりです。
リーガルハイやHEROみたいにテンポ良い法廷劇ではなく、しっとりジメジメしてます。

感想としても、どっちつかずな感じ。
賛否両論あるでしょう。
いや、それこそが作り手の狙いな気さえする。確信犯だと思う。
で、その否の理由までも想定内なんだと思う。
それはまるで、合わせ鏡のよう。
それはきっとこの映画そのものの主題で、観ているうちにどんどん勝手に真相を自分の中でストーリー展開されていく。完全にミスリードされるんですよね。
鏡っぽいのは、拘置所内の面談のシーンとかで強調してたな。。

その合わせ鏡。表裏。
これが人間の心理にして、真理。真実は人によって異なる、ということを切り口にした映画・ドラマはこれまで山のように存在したけど、ここまで、スクリーンに「正義とは?」「善悪とは?」「裁くとは?」「真実とは?」という吹き出し💬がずっと浮遊してる感じなんですよ。もうね、ある種の修行になりますよ。この映画。ほんまに。
福山雅治も、役所広司も、広瀬すずも、登場人物が最後まで腹の底を見せてくれない。満島真之介を除いて。つくづく、役所広司は凄いなと。そして広瀬すず、マジで天下統一しようとしてるな。あと、斉藤由貴が色々重なってちょっと面白かった。

あと、観た人に是非共感してほしいんですけど、ラストの福山雅治と役所広司の会話のシーンでの影を使ったあの表現、めちゃくちゃ映画的で素晴らしくなかったですか!?あのシーンの素晴らしさ、誰か共感してほしいです。
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