ギャス

三度目の殺人のギャスのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.3
器。
それに尽きる。
真実は意外に誰にもわからないことが多い。
真実が当事者でなく、周りの人間によって構築されるということは、薄々みんな気付いている。

その器をどう満たすかが問われてる。
そのために日々考えることをやめないでいたい。
出来るだけ"理不尽でないように"、正しく、優しく、親切な気持ちと想像で満たしたいが、
その気持ちを"悪用される"ことや、
"ズルに加担する"ことを過剰に恐れて、
何もかもを悪い想像で満たすのが、今の世の中の流れだと思う。

この映画を見た人は、自分の見ている真実が、そう思いたがる自分を映していることに気づくだろう。
(映画の最後、役所と福山の顔が重なったり離れたりの絶妙さ!)

ラストシーンの四つ角にたたずむ彼と私達は常にどこを向くのかどこに進むのか考え続けなければならない。
あちこちに伸びる電線の先には、それぞれの生活があることを想像しなければならない。
ギャス

ギャス