是枝監督がオリジナルで脚本も書いた法廷ドラマ。
法廷ものといってもエンタテインメントな方向ではなく､人間の心の深い部分を切り取った重厚な作品となっています。
全体的に重い色調で描かれていますが､カメラワークが印象的です。
特に面会室で福山雅治と役所広司がガラス越しに話しているシーンなどは､被告と弁護士という関係性以上のものを表現するために独特の撮り方をしていて､とてもスクリーンに引き込まれました。
非常に繊細な心の機微を描いているので､お話は少し難解に思えましたが､商業映画として売ろうというよりも映画作品として昇華させようという作り込みが犇犇と感じられました。
主演の福山雅治は是枝作品と相性が良いと思います。
本作でも良い雰囲気でした。
広瀬すずちゃんも今までの是枝作品のすずちゃんから脱皮していて､素晴らしい演技だったと思います。
そして本作で何が凄いって､それはやはり役所広司の演技でしょう‼
テレビドラマなんかではいつもちょっとコミカルな感じですが､本編での演技は気合いが違うのがよく分かります。
最近でも｢孤狼の血｣とか本当に素晴らしかったし､本作では主役を完全に喰っちゃっております。
気軽に観られるタイプの映画ではありませんが､名作だと思いますので機会がありましたら是非‼
