監督の実体験に基づいている青春映画。とても素敵な映画でした。
小説「ライ麦畑でつかまえて」に魅了された冴えない高校生が、「ライ麦畑でつかまえて」舞台化の許可を得るために作者サリンジャーに会いにいくお話。
ちなみにサリンジャーはとても変わり者で、文字通り隠遁生活をしていて電話番号はもちろん住所もわかりません。
はたして、サリンジャーに会えるのでしょうか。
この映画には2つよいところがあります。
1つめはディーディーの存在。主人公と一緒にサリンジャーを探す旅に出るのですが、時には恋人でもあり親友でもあり、兄弟のようでもあり、不器用で何にもできなそうで何でもなしとげてしまいそうな主人公を支えます。車の中での何気ない会話のやりとりが宝物のように思えてしまいます。
2つめは「ライ麦畑でつかまえて」の脚本の扱い。ネタバレになるので詳しく書くことは控えますが、主人公の心境の変化はものづくりをする上でとても大切なことを描いています。
なぜこの監督がこの映画を完成させられたのか、すべては主人公の心の持ちようのように思いました。
