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共犯者たちのtomtomcafeのレビュー・感想・評価

共犯者たち(2017年製作の映画)
4.0
韓国での政府の TV メディア介入とメディア介入に戦いを挑む人たちを描いたドキュメンタリー。

韓国民主化については映画「タクシー運転手」「1987、ある戦いの真実」を観たあといろいろ調べたのですが、つい10年前から韓国で政府のメディア介入があったことは知りませんでした。

2008年李明博政権発足時に TV の報道で大臣が退任ことがきっかけで、天下り的に政府の息のかかった人間を主要 TV 局の要職に送り込み、政府に都合の悪い内容を放送させないようにしていきます。
たとえばニュースキャスターが自分の番組内で内閣の疑問を呈したりすると降板させられたり、政府に不都合な番組を企画したプロデューサーが系列のスケートリンクの清掃業に左遷させられたりと、フィクションさながらのような人事が行われます。

当然 TV 局の社員もデモをして対抗するのですが、相手は国なので思うように好転しまけん。
当時送り込まれた政府の人間の任期はまだ残っているため、未だに真実が報道されない状況にあると言ってもいいでしょう。

ちなみに不本意にも退職させられたり退職した人たちは、有志で YouTube チャンネル(ニュース打破)を使って真実を報道しはじめます。この映画を撮影した監督もニュース打破のジャーナリストの1人です。

この映画を観たあと、過去に NHK の前会長が「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と発言していたのを思い出しておそろしくなりました。
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