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チャンブラにてのtomtomcafeのレビュー・感想・評価

チャンブラにて(2017年製作の映画)
4.0
試写会にて鑑賞。
題材からもっと重い内容を想像していたのですが、ロマの少年の青春を描いた映画でした。

何かにつけて子ども扱いされる少年ピオが、大人として認められようと背伸びをしたがります。ロマの世界で大人になることは家族を養う収入を得ることで、仕事につけないロマの人たちが収入を得るためには、危険を犯して盗みを働く必要があります。
ピオの父と兄が逮捕されてしまったことでピオはどうにかして稼ぎを得ようとするのですが、ロマの世界で大人の仲間入りをするためには、たくさんのことを経験しないといけないのだと思いました。

ロマの人たちが行っている盗みは、わたしたちから見てもイタリアの人たちから見ても犯罪なので(被害に遭った側だとすると許せないことです)、ロマの人たちはそうすることでしか生きられません。
フライヤーの情報によると出演者のほとんどがロマで、カメラワークがドキュメンタリーのように淡々としているのも、ロマの人たちの生活を客観的に描くためのものなのだと思いました。

ところどころで挿入される馬のシーンと、ラストシーンが印象的。
2019年自分が観た映画館1作めにふさわしい、素敵な映画でした。
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