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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのnagashingのレビュー・感想・評価

3.5
『Air』と構造的に酷似。固有性を剥奪された存在の不能感と、客体化された自己との懸隔。ゴーストの閉塞感を疑似体験させるような窮屈な画角と構図、フレーム外の空間の広がりを担保する音響、長まわしのなかで捉えられる光の反射や揺らぎなどたいへんすばらしい。が、停滞したり急加速したりする時間の過剰な緩急に気持ちがついていかず。テキストへの依存を強めたり弱めたりするナラティブの偏りも微妙。幽霊として復活するのにはエネルギー不要なのに、後半でアレするときには静謐を損なってでも強引に運動量を調達することが映画的に必要とされる点は興味深い。
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