このレビューはネタバレを含みます
併映 「夜は短し歩けよ乙女」
心を閉ざした主人公の男子中学生カイが人魚のルーとの出会いをきっかけに成長していく。
こう書くと陳腐に聞こえるし、既視感あるシーンもあるが、とにかく圧倒的な色彩と流れるような描写に惹きつけられた。
ブロック状に浮かべた海の水、俯瞰から見た町の風景、太陽光を遮るお陰岩、人魚島、坂の多い町。
懐かしさを感じる風景に幻想的な水の描写が不思議にマッチしている。
また人魚に噛まれると人魚化してしまうという設定がうまく生かされている。
人間に捨てられ収容されてた犬達が人魚化するシーンは、犬達の幸せそうな表情にほっこりした。
最後、人魚化した犬が、自分を捨てた飼い主を恨むどころか懸命に海から救い出すシーンは、涙腺崩壊。
そして何と言っても「歌うたいのバラッド」が世界観にピッタリ。
この歌のストレートなメッセージが心に響く。
これからも湯浅ワールドを追いかけたい。