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さらば愛しきアウトローのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
4.4
愛嬌とダンディズムをまとった初老の銀行強盗フォレスト・タッカー。誰1人傷をつけず、お金をかき集める受付のレイディですら虜にするどこか憎めない男。逃走の最中に牧場経営の女性と出会い、合うたびにお互い惹かれ合うも、ついに逮捕される日がくる。彼が歩んできた過去とは・・・的な物語。

原題は『The Oldman and the Gun』、なんと実話。銀行に入り支配人と呼ぶと、懐に一丁の拳銃があることを知らせ、人知れず交渉に入る。彼の落ち着いた様や去り際の所作から、脅迫された支配人ですらも、まるで、一流のテーラーにスーツの寸法を測ってもらうかのような心地よさを感じる始末。そんなダンディズムあふれる初老の強盗が1人の女性と会話を重ねるにつれて、今まで成し遂げてきたことや、後悔してきたことなど己の生き様を振り返り、ゆっくりと前を向き始めるストーリー。

実はこのフォレスト・タッカーには同年代の相棒とも呼べる仲間がいる。その仲間と、久々に趣味の釣りを嗜みに、大海原に船を出すかのようなキャッキャしたやりとりがたまらなく愛おしい。もちろん、それだけでなく、会話の1つ1つや、若手の警察との駆け引き、全編通じて何もかもが全て愛おしい2時間なのだ。
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