ベべべっち

さらば愛しきアウトローのベべべっちのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
3.8
パッケージのシーンが最高にかっこよかった。

実在した伝説の強盗犯フォレスト・タッカーの物語。
銃は見せるが決して発砲はしない、お金を詰めている銀行員には優しい言葉を投げかける紳士なおじ様。
どこまでが事実に基づいているのかは、わからないが、劇中では終始とにかく紳士だった。そのダンディーな男を演じるのはロバート・レッドフォード。敢えて古いフィルムで撮影された昔の雰囲気も相まってより渋みが増す。

内容的にはフォレスト・タッカーの生い立ちを描くのではなく、すでに16回脱獄した後の話から始まる。強盗シーンもたくさんあるが、それが彼にとって人生何回目の強盗なのかは不明だし、細かく描かれることはない。
何回か(いつもの?笑)強盗をこなした後、仲間と一緒にデカいヤマに挑むが、それすら詳細は描かれない。
なので一瞬のカーチェイスを除けば非常に静かな映画。

実話ということで、これまでの脱獄の紹介がダイジェストみたいな感じで流れるが、1箇所吹き出しそうになってしまった。笑

終わり方も、おぉい!やっぱりかよ!って感じでめちゃくちゃ良かった。

感想としては、、、
まず、中盤のパッケージにもなっているあのシーン。カッコよすぎませんか?痺れるわ。
ロバート・レッドフォードのフォレスト・タッカーの演技はもちろん圧巻で文句のつけようがない。
それが今作品で一番良かったけど、ジュエルとジョンの関係性の描き方やキャラが良かった。
強盗シーンよりもジュエルとの会話に重きを置いているような気がして、そこが良かったかな。
ジョンとはネタバレになるので詳しく言えないが、関わったシーンはほぼぼぼ良かったし、最後も思わずおぉー!と思った。

人生楽しめよ的なメッセージが込められていた素晴らしい作品だった。

ロバート・レッドフォードが今作品で引退ということが宣伝されていた。非常に残念。邦題には、それも含まれていたのかな?
























以下↓独り言。(多大な妄想と若干のネタバレ)

この映画の鑑賞中、上手く説明できないけど、何かしらの違和感がずっとあった。
なので、鑑賞後に調べちゃいました。

違和感の正体は、作中にロバート・レッドフォードとフォレスト・タッカーが混在していたから。

この映画にはロバート・レッドフォードの関連作品のオマージュや小ネタがたくさん盛り込まれていたとのこと。
脱獄シーンで、彼の作品の実際のシーンがどさくさに紛れて映っていたらしいが、全くどこか分からない。

そりゃ、全然ロバート・レッドフォードの作品を観ていない自分には理解できないはず。
スティングですら、10年以上前に鑑賞して内容も思い出せない。

大袈裟に例えるなら、いきなりアベンジャーズ/エンドゲームを観るようなもの。
いきなりその作品を単体で観ても楽しめるけど、一作でも見逃していると、感動や面白さは軽減されてしまう…。

つまり、今作品はロバート・レッドフォードのファンの為の映画だったのだと思います。勝手な妄想ですが。

監督のロバート・レッドフォードへのラブレターとはそういう意味も込められていたのかな?

とにかく、ロバート・レッドフォードの作品をちゃんと観たら、またこの『さらば愛しきアウトロー』を観たい。
その時には今回とは違う感じ方ができるはず…