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羅生門のTSのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
3.5
黒澤明監督作品デビュー( ^ω^ )

昔から映画は好きですが、最近は相当でして、古典的名作も漁ってみようかなと。で、日本人が誇る黒澤明監督の作品を観てないのはいけないと思い早速レンタル。まずは羅生門から(^○^)!

羅生門は高校の教科書でも出てくる芥川龍之介の作品、、ですが本作は観たところ、羅生門の例の話がメインではないようです。で、調べたところ、どうも芥川龍之介の『藪の中』が原作らしく、そこに羅生門の舞台をつけてるようですね。

検非違使などの平安時代独特の単語も出てきますし、音が割れてて聞きにくい部分もあるのでそこは少し注意(°_°)

平安時代中期?(羅生門の荒廃具合をみて、多分日本史的に10世紀末頃)、荒れた羅生門に下人が雨宿りをしにきた。そこには二人先客がいて、先日に起こったある事件に関して悩んでいるところだった、、

これ、調べてみたところ、当初全くヒットしなかったそうです。難解故に、、
当時の社長も観て 訳がわからん といって試写会を退席した模様(笑)
確かに物語のほとんどは、三人の証言の齟齬に関してなので、退屈といえば退屈。。
でもその人間は嘘をつき、真実がわからなくなるという社会性あるメッセージは受け取れましたし、味がある映画だなと思いました!
途中はちょいとホラー(笑)
役者の笑い声が妙に甲高い。巫女のシーンもある意味ホラー。

荒廃した羅生門も美しい。羅生門は、羅城門が正式な漢字であり、平安京の東寺と西寺の間にあったそうです。今でこそ全く面影を残してないので、それを映像にしてるのが感慨深いです( ^ω^ )

黒澤明監督作品をデビューしていこうとすれば、少々物足りないと感じたのは確かですが、これから徐々に攻めていきたいかと!

最後にこの映画は海外で認められたということで、黒澤明監督はこのような言葉を残してるそうです。
以下はWikipedia「羅生門(映画)」からの引用です。

「日本映画を一番軽蔑してたのは日本人だった。その日本映画を外国に出してくれたのは外国人だった。これは反省する必要はないか。浮世絵だって外国へ出るまではほとんど市井の絵にすぎなかったよね。我々は、自分にしろ自分のものにしろ、すべて卑下して考えすぎるところがあるんじゃないかな? 『羅生門』も僕はそう立派な作品だとは思っていません。だけど、「あれは まぐれ当たりだ」なんて言われると、どうしてすぐそう卑屈な考え方をしなきゃならないんだって気がするね。どうして、日本人は自分たちのことや作ったものに自信を持つことをやめてしまったんだろう。なぜ、自分たちの映画を擁護しようとしないのかな? 何を心配してるのかなって、思うんだよ。」

うーむ。素晴らしいな(笑)
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