きんゐかうし卿

ドント・ノック・トワイスのきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ノック・トワイス(2016年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

 

『欲張り過ぎてとってもアンバランス』

自宅にて鑑賞。英国産の日本劇場未公開作。過去を絡め、母娘の関係をじっくりと描くが、後半に至り物語が急激に動き、全体を見渡すとテンポやリズムのばらつきが激しく、バランスが悪い。“ティラ”のP.ハジモアンマディ、終盤近くで急に髪型変わっており、誰だか判らなかった。あれもこれもと欲張って様々な要素を満載にした為か、何度かあるドンデン返しのキレ味もイマヒトツ。ゴア描写は皆無に近いが、肝心の恐怖要素も視点が定まらず印象が薄い。何かが足りないのか、詰込み過ぎたのか、煩雑で混乱気味に思え、何とも惜しまれる。55/100点。

・開始早々、Wales Screen Sgrin Cymru→PINEWOOD→ALTARA→ffilm CYMRU WALES→CONTENT→red and black films、とこれでもかと六社のロゴコールから始まる。

・過去の過ちを踏まえ、母としての葛藤と娘への愛情を併せ持つ“ジェス”のK.サッコフの演技、年齢が判り難い容姿でまずまずの合格点。彼女が夢で見た自身は、喉を一文字に切り裂く際、"Przepraszam"と叫ぶが、これはポルトガル語で"sorry"を意味する。一方、“クロエ”のL.ボーイントン、素直になれない難しい年頃が巧く描かれていた。手の甲の蜘蛛柄のタトゥーや“ボードマン”刑事のN.モランの思わせ振りな表情や態度等、ミスリードを誘う布石があちらこちらに仕掛けられている。

・登場する“邪悪な老女”と呼ばれる存在は、真黒で手足がか細く『MAMA('13)』や『ライト/オフ('16)』辺りに登場したのを彷彿させる。“バーバ・ヤーガ”と云うネーミングは、伊・仏の合作でそのものズバリな『バーバ・ヤーガ('73)』や『ジョン・ウィック('14)』でK.リーヴスの演じた同名の主人公(タイトルロール)の愛称を想起する。

・鑑賞日:2018年11月17日(土)