シネマJACKすぎうら

バトル・オブ・ザ・セクシーズのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

4.7
これも実話を基にした映画で、やはりハンディカメラで撮ったようなドキュメンタリータッチの画像が主となっている。ところが、そこで語られるストーリーは実にドラマチック。
アイ,トーニャもそうだったが、観てる私にとっては、もはやそれが実話である必要が無くなってくるほどなのだ。

予告編を観ていると、ウーマンリブのムーブメントと共鳴するようなビリー・ジーン・キングの闘いが、女性蔑視のゲス野郎相手に繰り広げられる構図をイメージしてしまう。

しかし本編を鑑賞してみると、実際はかなり趣きの違う映画であることに気づく。
それは、クライマックスである「男女対抗戦」を通じて、本作の主人公たち(キング夫人とボビー・リッグス)が、それぞれ異なる敵と闘っていたことが解るからだ。

主演エマ・ストーンは、持ち前のキラキラした可愛らしさを抑え、どちらかと言うと地味なルックスのキング夫人を(その苦悩や葛藤までも含めて)見事に表現していた。もしかしたらこの作品は、彼女の代表作の一つにもなり得るのでは無いだろうか。

そして外せないのが、ボビー・リッグスを演じた共演のスティーブ・カレル。彼もまた、その内面に言い知れぬ苦しみや葛藤を抱えている。「30年後の同窓会」においては地味キャラだった彼が、本作についてはお馴染み(笑)の"濃いキャラ"をしっかりと滲ませていた。
また、彼の奥様役を「リービング・ラスベガス」のエリザベス・シューが演じている時点で、既に私好みの作品だったりするわけで(笑)。

⭐︎本作のレビュー動画をUPしました!(いちおネタバレ無しのつもりですw)
https://youtu.be/LwIh0kZEwe8