次男

ミックス。の次男のレビュー・感想・評価

ミックス。(2017年製作の映画)
3.5
好きだったところ2つ。

蒼井優さんがラケットを握ってから!あそこは痺れた…「蒼井優に最初に惚れたときの気持ち」をギュッと思い出した…!メガホン持って奇天烈だった、あれは『亀は意外と〜』だったかな!

ラストの試合の、2セット終わりの新垣さん×瑛太さんのおしゃべり。これまでさんざん「ドラマっぽい」演出と演技だったのに、急に普段着な感じ出すやん!空気感素敵過ぎてこっちまでニヤニヤしたやん!

◆◆

好きじゃなかったところを幾つか。

明確に恋とかすんのかよ!!!!
と突っ込んだのって僕だけかしら。SPECとかtrickとかそれこそリーガルハイとかのふたりみたいに、「恋かバディか曖昧な感じを楽しむ」だと思ってたら、明確にすんのかよ!これは好みかもけど、別にいらんかったけどな、僕は。

すげえ回想するやん!!!
さっき観たばっかだからぜんぜん覚えてるわ!ドラマのノリで回想入れんで大丈夫ちゃうかなー。「映画とドラマの違い」なんて文化的な切り込みをするつもりもないし、況やその優劣比較をや、だけど、「これはなんだかすごくドラマだな!」と思いました。全体的に。ライトだからドラマ、でもなく。

「あと一歩」ってラストやたら使ってたけど、それって主人公の成長へのテーマになってたっけ?引っ込み思案で人生置きにいってたが故の不本意な人生、とかだったんだっけ?そもそも主人公たちふたりは何と戦ってたんだっけ?試合に向き合うことは、何のメタファーになってたんだっけ?なんか雰囲気でうまくオチ付けたっぽくしてたけど、ちょっと腑には落ちてないし、ドラマ的なカタルシスどころが釈然としない。感情的ゴールと、その手段としてのモチーフと、プロセスが、まとまってるようでまとまってない気がするんだよなあ。

(例えば、もっと『戦うこと』をテーマにしてたらどうだろう。『逃げグセがついてた主人公、憧れのあの人と背伸びで付き合えることになったけど、浮気現場を目にして。強く「私の恋人なのに!」と言えればよかったのに、「まあ、そもそも私なんて」と及び腰になってしまって、戦わずに手放して、そのまま逃げるように故郷に帰ってきた。敵役のミックスふたりは、強引なまでに欲しいものを掴み取ることのアイコンにして、彼らに向き合う主人公が強く「勝ちたい!」と欲を出す=戦う=一歩踏み出す』、とかの構造だと、まだ成立してるような気も、する。のか?)


あと、古沢良太的な巧い本を期待して観たから、それが無かったのもちょっと残念。

◆◆

エンケンさんが、軽トラの荷台で「プチトマト大福」を食べてるシーン。頑なに、プチトマト部分を食べてなかったのが、なんか面白かった。
次男

次男