うるぐす

火花のうるぐすのレビュー・感想・評価

火花(2017年製作の映画)
3.6
公開初日朝一番観てきました。
悪くはない。ただ、Netflixのドラマには遠く及ばない。といった感じでしょうか。
やっぱり2時間ちょっとで描き切るのは無理です。板尾さん、Netflixドラマの方は監修の立場でいらっしゃって、今回映画の監督をする、とのことなので、きっと、映画の2時間という短さを生かしたテンポのいい作品になるんじゃないかな、と予想してたんです。しかし、テンポはドラマの時とさほど変わらず、少し粗いダイジェストのように感じてしまいました。だから、Netflixドラマ観てない人には足を運んでいただきたいのですが、観た方は少し満足できないかもしれません。
ドラマは10話で、10時間あるので、徳永と神谷の絆、相方との絆、などを丁寧に描けるんですけど、映画だとそうはいかない。だからこそ、より「漫才」「漫才師」を全面に出してテンポ良く、激しく見せるべきだったと思いました。まして、監督するのが板尾創路ならば、なおのこと。正直、この感じになるなら、品川ヒロシが撮った方がポップさが出て良かったんじゃないか。
ただ、でも、もしかしたら、本当のリアルは映画版なのかな、という気もしてて。
「ボケなのかマジなのか分からない」この火花という映画の幹です。最後の漫才もそう。ボケなのかマジなのかをわかりにくくすることによって、本当に伝えたいことが伝えられる。マジなことを言ってもボケにしてごまかせる。その照れ臭さが人間臭さとなって画面に漂うのは、むしろ映画版のような気がします。それは監督の名前がチラつくからなんだろうけど。ボケの社会的役割、みたいなものがすこし表象する面白さはありましたね。
めちゃくちゃ細かいけど、菅田将暉と二丁拳銃・修士が幼馴染の同じ年齢は無理があるなと思った。
あと、2人の『浅草キッド』はめちゃくいゃええ。
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