一夢

マザー!の一夢のレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
3.5
「2人仲睦まじく過ごしている夫婦の家に、来客が次々と訪れ、妻がひたすら嫌な思いをする映画」という、どう考えてもそれ、要所要所端折ってるだろ…と突っ込まざるを得ないあらすじを聞いてから鑑賞。
マジでそのあらすじ通りだったことを知って震えてしまった…。

細かい点を言えばもちろん、物語としての起承転結は存在するのだけれど、話の骨子としてはマジで「妻がひたすら嫌な思いをするだけの映画」というのが一番正確で恐ろしい。
物理的にも精神的にも「他人の家に土足で上がり込んでくる」という説明が正しい来客が次々と現れ、人はここまで図々しくなれるのか…と、胸のざわめきが凄かった。

途中から凄まじくヒートアップして、これもうギャグだろ…と思ってしまう展開に突入するし、アメリカ本国ではかなり叩かれた作品らしいけれど、個人的には結構好き。
キリスト教的なオマージュネタに全く気付けなかったのは悔しい…。

思うにこの映画は「部屋のインテリアにこだわりを持っている」「自宅のガーデニングが趣味」といった具合に、「自分だけの空間を愛でて、大事にしている」系の人の胸を、容赦なく切り刻んでくる作品だと思うので、そういった方々にこそぜひ観て、嫌な気分になって頂きたい。
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