うなぎ

ハウス・ジャック・ビルトのうなぎのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
4.5
最近、人の死とか宗教、美学をなんとなく興味の対象と捉えてしまうことについて、それってちゃんとその背景にいる人々に敬意を払えているのだろうか、と不安になっている。
こういう映画が大好きなのは、好奇心とかどーなっちゃうんだろって気持ちを満たしてくれるからで、タブー的な話題にもわたしはそう感じてしまう、それって別に行動に移さない限りは悪いことじゃないけど、すごく悪趣味なのかも、って。

人や生き物の存在や思想を、面白い物語として対象化して消費するのって、ある種の搾取なのかも、と思って自己嫌悪に陥ったりしていた。
わたしもジャックのように、自分以外の人間を、自分の人生にでてくる支配可能な死体、さらに自分の理想を構築するための材料のように見てしまっているような気がして怖くなった。なんちゃって、自分をサイコパスと勘違いして舞い上がってる中学生みたいかな?笑

墜落時に悲鳴のようなサイレンが鳴る戦闘機の話、すごく魅力的に聞こえてしまう。こういう誰かを苦しめるデザインに惹かれるのって、やっぱり想像力の欠如だなあと思う。かといって、いちいちすべての人の気持ちに寄り添っていたら身動きが取れなくなってしまうんだけど。。

ジャックとて、芸術、芸術と繰り返すけど、結局、偏った主観的な美的感覚の話を「芸術」と括ることで他の理解できない高尚なもののように言って、世論から逃れようとしているだけなのかもしれない。その枠組みがなかったら、本当にただの変態、殺人鬼、気持ち悪い考え方をする人間。洗礼もなにもないのに。

トリアーが大好きなゼミの友達、勧めてくれてありがとう…痛いし苦しいけど見返したいなあ、しばらく経ってから……わたしはまだ(物理的に)胸が痛いです。。
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