ノラネコの呑んで観るシネマ

最低。のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

最低。(2017年製作の映画)
4.5
瀬々監督の本領発揮。
"AV女優"をモチーフにした、オムニバス的な人間ドラマ。
親バレした現役のAV女優、夫と疎遠になりAVに出演する主婦、母親が嘗てAV女優だった女子高生。
世代の違う三人の女性たちと、彼女らを取り巻く人々の物語は生々しく、リアリティたっぷり。
三つの独立した物語が、登場人物のエモーション、あるいはアクションのシンクロで切り替わってゆくスタイルは、「恋人たち」にちょっと近い。
孤独を抱えた三人の主人公と、AVの関わりにはそれぞれに理由があるのだ。
女優たちの体をはったエロスは素晴らしく、裸体が葛藤を物語る。
瀬々監督は「金は無いが自由はあった」と仰ってたが、邦画で遠慮のないセックスシーンがキチンと意味を持って演出されていたのは、最近では本作と「あゝ、荒野」くらい。
こちらの作品も物語に余白があり、三人のその後に想像が広がる。
タイトルとは違って、出来は"最低"どころではない。
大熱演の女優陣は皆魅力的だったが、ファーストロールの山口彩乃が、彼女のキャスティングを知ってエステを予約したという、アンパンマンこと佐々木心音無双w
Q&Aで酷い質問が出たのだが、彼女の返しも最高だった。
ブログ記事:
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-1072.html