ノラネコの呑んで観るシネマ

アトミック・ブロンドのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.8
1989年、壁が崩れる一週間前のベルリンを舞台に、流失した機密リストを巡り、東西のスパイたちが相当荒っぽいコンゲームを繰り広げる。
リストそのものはマクガフィンなのはまあ良いとしても、結局何を争っているのか最後まで観ても話がよく分からない。
ぶっちゃけ、ロジックの部分は破綻しまくってるだろう。
もっとも、この意味不明さは狙いなのかも知れない。
冷戦終結間際のカオスのベルリンで、当時のポップカルチャーを背景に、冷戦を象徴するスパイたちが、互いに本当は何を求めているのかも分からぬまま殺しあう。
PVチックな映像や、妙に泥臭いアクションは見応えあり。
セロン姐さんとソフィア・ブテラの唐突な百合シーンとか、一部マニア受けしそうなディテールも豊富。
ただやっぱり掴み所の無い話というのは、観ていてのめり込む程には入れない。
人間ではなく、時代が主役の異色のスパイ映画。