邦画のこの閉塞感と生々しい生活感がたまらない。そしてそのどうしようもなさを音楽がぶち破っていくのがたまらない。ソラニンのような感じ。
ニートのミュージシャンせいいちを養うために水商売で働く主人公のツチダ。なかなか曲を作らずライブもしないせいいちとの関係がギクシャクする中、かつて好きだった男、ハギオに再会し2つの恋の間で揺れ動くのだが…。
この主人公の女、ダメ男がタイプなのだろうか。せいいちは優男なんだけど他人に文句ばっかりで自分は音楽に全然本気にならない。ハギオはカッコいいんだけど色んな女を取っ替え引っ替えしてる感がプンプン。
まるで発泡酒の宣伝のような下町の雰囲気の中での浮かない生活、どうしようもない男にどうしようもない恋。邦画独特の生々しい生活の雰囲気が苦手だったんだけど、結構最近はこういうの好きだ。
特にラスト、せいいちの歌のシーンはほんとに感動した。太賀の優しく包み込むような歌声にちょっと可愛くてでも芯のある歌詞。大して何にもうまくいってないはずなのに、どうしようもなくこのシーンに救われる。
邦画、かくあるべしといった感じ。