きみちゃん

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のきみちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
フリーパス3本目

第二次世界大戦初期、急遽首相に決まったチャーチルは、ヒトラーとの徹底抗戦か和平交渉かの選択を迫られる。

印象的だった最初の登場シーン。
ベッドの上で朝食をとりながら新任の秘書レイトン(リリー・ジェームズ)に早口でタイプを打つように指示を出す。口うるさく、偏屈そう。
窓から陽の光が差し込み、暗かった部屋が明るくなるにしたがい、チャーチルの顔がはっきり映し出される。スポットライトが当たったかのように主役登場!

話が進むにつれ、ただの偏屈親父ではなく、人間くさく魅力的な性格が見えてくる。

有名な裏ピース写真。レイトンとの会話が楽しい。

国王ジョージ6世との関係も興味深かった。「英国王のスピーチ」の国王だと鑑賞後知った。コリン・ファレルよりベン・メンデルソーンの方が、ご本人にそっくり。

妻(クリスティン・スコット・トーマス)も夫を叱咤激励しながら、しっかり支えていて、素敵な夫婦関係だった。

ダンケルクにおける決断、そして地下鉄の中での出会いが後押しする最終決断。
観ているこちらまで、自分ならどうする?とチャーチルの立場で悩み苦しんでしまった。
そしてクライマックスの議会での演説シーンで盛り上がりは最高潮に。

今まで、あまり興味を持てなかったチャーチルを魅力溢れる人物にしてくれたゲイリー・オールドマンと辻一弘氏に惜しみない拍手を送りたい。