つちのこ

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のつちのこのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

実在の人物の話なのでネタバレとかそういう問題でもないのだが、まず驚いたのが、ゲイリーオールドマンの声について! この映画のチャーチル役を彼がやると知って、ん? ゲイリーオールドマンがチャーチル? 全然似てなくない? とか違和感だらけだったんだけど、さすが演技派なだけあって、ゲイリーオールドマンってこと、目以外全然分らない。喋り方も声もめっちゃチャーチルに似てる (動作はよく知らないので評価できないが)。

第二次世界大戦の英国関連の作品は、下記のようなものを観たり読んだりしたが、その記憶を思い出しては「あ、ダイナモ作戦だ!」とか、「アラン・チューリングたちの暗号解読との時系列はどうなってるのかなぁ?」とか、思ったり。
・ダンケルク
・イミテーション ゲーム
・女王陛下のユリシーズ号 (これはフィクションですが、作者が英海軍出身なだけあって、戦艦での描写やドイツ軍の凌駕具合が非常にリアルに (ってリアルを知らんけど) 描かれてておすすめ。めっちゃメンタル消耗するけど)

上述のユリシーズが好きすぎてティルピッツの話とかも調べてしまったり。「小さな犠牲を払って大きな ○○ を救う」とか、確かに 4,000 人擲って 30 万人救ったなら評価されて当然の、偉大な功績だと思うけど。
実際にカレーで囮にされて救助もなく、死んでいった人たちがいたんだよね。

あんまり良くないことかもしれないけど、日本の戦争 (第二次世界大戦) 映画は『火垂るの墓』・『対馬丸』・『ひめゆりの塔』くらいしか観たことなくて。
何でかなー、敗戦してるから? 自分の国のことだとリアルにつらいから? そのどっちも?

彼氏は神戸出身なので、『火垂るの墓』で見知った駅の三ノ宮が舞台になっているところがより怖い、と言っていたが、関東出身の私としてはピンと来ない。
が、とある遠足施設? に通っていた幼稚園が近かったため、何かといえばそこに連れていかれることが多かったのだが、戦時中に防空壕として使われていたらしい「立入禁止」スペースがいくつもあって、なんかえも言われぬ恐怖を覚えていたのは覚えている。
当然、当時は戦争も知らなければ防空壕も何か分っていないし、それがそうだと知らされてもいなかったので、ただただ「木で大きくバッテンが打ち付けてあるシャッターが下ろされている何か」という認識しかなかったが、今思い出してもちょっと怖いよね。

あ、映画の話に戻って。

実際のチャーチルもあんな感じに悩んだのかなぁ? 余裕綽々で悠々としていて欲しかったな。地下鉄エピソードはえ、マジでこんなことあったの? できすぎじゃない? と思ったらフィクションなんですね。

日本と照らし合わせるとどうなんだろう? 苦境に置かれているのに「優勢です」と嘘をつかれ続けたという話があるけど、他になんと言えるのだろう。

「負けそうです」なんて国が言ったら、勝てるものも負けてしまう気がするんだが。私が国を動かす側にいたなら、「優勢です」と言ったかもしれないなあ、と思う。

島国イギリス、島国日本。太平洋戦争においては真逆の存在となった国ですが、その精神には何点かの共通項を感じます (いやまぁ、イギリスに限らずドイツとかにも共通項あるんだけれども)。

戦わずして逃げるより、死んでも戦うことを選ぶかどうか。

生き永らえるのが目的なら、逃げればいい。命あっての物種、死んだら意味ない。

でも、尊厳まで奪われて生き永らえることに意味がないなら、大事なものを守って死にたい。

大事なものが命なら、死ななくていい。

う~ん・・・ 死を直前にしたら、情けなく命乞いするやも。