イホウジン

孤狼の血のイホウジンのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.9
任侠映画の過去にとらわれない新しい風を吹き込む映画。

暴力団同士の対立という王道なネタを軸に、推理,上層部の汚職,学歴ネタ,強い女性など現代的な様々な要素が含まれている。
そもそも舞台が1988年の呉(を想定した街)ということで、時代設定から過去の名作との距離感を保っている。
役所広司も適材適所ながら、後半の松坂桃李もいい。良い意味で一線を超えた気がする。
ストーリーも登場人物の多さにしては分かりやすく、観やすい。登場人物の濃淡がはっきりしているのだろう。

とはいえ手垢の付いた表現も多く、話を壮大に広げた割には最後は尻つぼみな感じはした。もう少し汗臭さも欲しかった。恋愛要素は無理矢理押し込んだようだった。
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