スズキ

29歳問題のスズキのレビュー・感想・評価

29歳問題(2017年製作の映画)
4.4
とても良かった。
前半の超ベタなバリキャリパートが今更感満載で辛いんだけど、その先に現れる同世代の全く別の女の子のパートが素晴らし過ぎて感情が爆発しました。前半はここへの伏線だったんだな。

後半に、頭は良くなくて顔も良くないバリキャリ女性とは全く正反対のしかし幸せに生きる同世代女性を配置する構造がベタながら物凄く効果的。というか照れずに丁寧にベタなことをやり抜く重要性がこの映画の成功ポイントなんだろうな。

またバリキャリ女性の憧れとして登場する60歳の女性社長を映画の中で否定しないことも素晴らしい。

人は社会が固定観念として持っている年齢に縛られがちだけど、そんなものに縛られなくて良いんだよというメッセージがこれで一気に説得力を増した。
『ありがとう、トニ・エルドマン』に決定的に欠けていたピースが完全にハマった感じ。

舞台っぽい演出が随所にあって珍しいなと思ってたら元々舞台作品だったみたい。


バリキャリ女性が、様々な人生の転機のタイミングで全く違う生き方をしていた女性の存在を知り、自分を見つめ直す物語。
スズキ

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