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5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生のmumbleboyのレビュー・感想・評価

3.9
目の病気で視力の95%を失ってしまう青年が1流のホテルで働きたいという夢に挑戦するという作品。

自分もかなりの近眼で眼鏡なしでは生きていけないからこの病気になったら絶対に普通に生きられる気がしない。5%しかないんだったらむしろない方がましと思ってしまう。しかしこの主人公サリーはものすごく視力を要求されるホテルの仕事をやりたいという夢の方が自分が安静に暮らすということよりも勝ってるということが不思議でならない。見始めてこの無謀な挑戦の中で悲しい場面を多数見せつけられるんじゃないかとすごく不安だったけど、意外と周りの人々の優しさに救われる。ただいつまでもそんな幸運は続かずだんだんと過酷な状況に追い込まれていく。そんな中ずっと彼をサポートしてくれるのが最初の面接で出会ったちょっと不良っぽいマックス。サリーも視力以外の感覚が優れていたり記憶能力も飛び抜けていて得意分野においてはずば抜けているけど、全体的には周りのサポートなしでは仕事を完璧にこなすことはできない。だんだんとそんな自分のことも理解していく。

サリーは父親がスリランカ出身のハーフ。彼自身が移民という訳ではないけど仕事場で出会ったアフガニスタンからの難民の人を助けるというサブストーリーもあった。最近のヨーロッパ映画はこういった多様性が昔に比べて大分目立つようになってきた。それに比べると日本映画はまだまだという感じ。実際日本在住の外国人の割合がヨーロッパに比べてすごく少ないというのもあると思うけど昔に比べると随分増えたと思う。そういう現実が反映された映画がもっとあってもいいのかなとは思う。
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