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勝手にふるえてろのあのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.0
配給 ファントムフィルム

なんだなんだこの映画は!

最初観たとき ヨシカの描写がわりとしつこめで ん?このノリ付いていけないかも、、と思ったりもしたけど(邦画独特の監督が好きに作りすぎて ついていけないやつ)観終われば あああ!すき!となった

まず監督がどんな人かだなんて全然知らずに観てたんだけど
ああ これは女性が撮ってるな、ってわかるシーンがたくさんあった

それは女性の描き方
ヨシカの同級生や同期みたいに
するするっと男性の懐に入ってくるやつ・気づかずサラッと嫌なこと言ってくるやつ
うわぁぁぁぁ!いるいるいるいる
こういう嫌なやつ!!とわかりすぎて死にそうになった
あれは男性にはぜったい撮れない

それが大きくわけて3回あるんだけど
ひとつは会社の忘年会
高杉くんに話しかけたくて 自分一人で、行けばいいのに一緒に連れていかれるやつ
あれ昔全く同じ経験をしたことあって
(連れていかれるほう)
自分は結局その場にいても全然喋ったりしないし意味なくって でも連れていってる方はひとりで行ったらガツガツしてるやつって思われるから一応ポーズとして連れて行くんですよね
ね、行こうよ、ね、みたいなノリ!
クァァァわかる〜〜!ひとりで行けよ〜〜!
でそれに気づかないで男性は明るくって社交的な子が来ちゃうとかわいいなって思って喋っちゃう
ああああ わかる〜〜〜!連れて来られたやつの意味のなさ〜〜!なにこのあるある

ふたつめは同窓会
無駄にそんなに会いたくない人も含めて大量に人が集まってて
ここでも別の女がするするっと男性の懐に入ってくるパターン
しかもこの女が着てる服とか髪型がいかにもなやつで、ああこういうあざとい女ほんといるよな、、、こういうきれいめセレクトショップ系で無難にまとめましたみたいな服、、わかる、、、、いちばん嫌いなタイプ、、、となった
で、その集団のノリについていけなくて端っこの席で会話入れないみたいな
話したい人と話せないつらさ うわぁぁわかる。。わかりすぎてつらい。。。
しかもあのシーンの何がいいかって ヨシカの左にも男性版ヨシカみたいな完全にあぶれた系男子が座っていることなんですよねほんとああいう状況になるのわかるな、、
だって喋る人はぜったい端っこの席とか座らないからね
大人数の集まりだから嫌なんだよな、、となった

3つめはタワーマンションの集まり
同窓会に引き続き同じあざとい女が またしても一にするするっと近づいていってて
ほんと嫌な女だな、、ってもう吐きそうになった
で思ってもないのにオーバーに描いた絵見て 何これかわいい!!っていうやつ
うわめっちゃわかる わたしもいわれたことある〜 !ムダにオーバー!そんな思ってないんやったら言わんでいい〜〜!

それで、もう好きな人がめっちゃ遠い存在みたいになってるのに
去りそうになりそうなところで近づいてくれて
なぜかへんな隙間ですっごい話があって 盛り上がって、っていうのもなんかもうわかりすぎて窒息しそうだった
あれで盛り上がってるのは自分だけみたいな あ〜〜わかる!わかる!わかりすぎる!

この映画において
すきな人と話してるときのなんか違う感
すきじゃない人と話してるときのなんか違う感
の両方がちゃんと描かれていて
それ両方ともすっごいわかる
ほんとこの監督そういうのうまいなって思った
(なんかこの映画に共感できる!って言ってる自分ドンマイ、、とも思うんだけど)

一みたいなタイプの男もめっちゃいるよね
白いニットみたいなの重ね着して着てて厚めの髪型で うわぁいるいるこういうFUDGE系無難に攻めてます男子!わかるぅぅぅ!となった
ああいうやつがいちばんモテるんだけどもね
ほんとこの映画衣装も絶妙でいいんですよね。。

で、もうミュージカルシーンで引き込まれる 引き込まれる
松岡茉優ちゃんかわいいなあ歌上手いなぁ
ハッとさせられるよね

ヨシカには結局は二っていう存在がいるんだけど 実際ああいう人が出てくるのは稀だよね
一みたいな男性を見てああやっぱこの人は無理なんだなって気がついて終わるのが現実の大半だと思う

あと二に関しては渡辺大知くん演技はじめて観たけど 絶妙に鬱陶しいかんじと優しいかんじのバランスすごくよかったなぁ

玄関でヨシカのことちゃんと怒ってくれたり 台詞とかときどきハッとさせられること言ってくれたり ぶっ飛んでるように見えて実はちゃんと考えたりしてるんですよね
脚本ほしいなぁ買おうかなぁ
あの玄関のシーンめちゃくちゃすきだ

ほかにもはいりさんとか古舘さんとかもうすきなところいっぱいあって
とにかく女子で共感してる人がすごく多いっていうのも納得
女性と男性で見方も違うのかもしれないなとも思う でもヨシカの立場にも立てるし二の立場にも立てる

衣装もその人物の性格に合っててすごくよかった
松岡茉優さんのコートやニットはbeautiful peopleの16AW
あのシーズンめちゃかわいかったんだよね、、似合ってた

笑えるシーンもたくさんあってほぼ満席の映画館大爆笑だった
わたしは会社のフレディのネタがいちばん笑ったな、、、机でイントロはじめてしまうやつとか最高

この映画がざっくりどうだったか、って話すよりも
あれわかるよねとか あのシーンよかったね とか断片的に思い出しながらあれもこれも話したいね〜

観終わったあと即パンフを買い、本屋さんに駆け足で行って綿矢さんの原作本を買った
あ