ぶみ

レディ・マクベスのぶみのレビュー・感想・評価

レディ・マクベス(2016年製作の映画)
3.5
ニコライ・レスコフが上梓した『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を原作とし、ウィリアム・オルドロイド監督、フローレンス・ピュー主演により映像化したイギリスのドラマ。
19世紀後半のイギリスにおいて、裕福な商家に嫁いだ17歳の少女キャサリンが、夫の留守中に使用人と不倫関係となり、変貌していく姿を描く。
アリ・アスター監督『ミッドサマー』や、グレタ・ガーウィグ監督『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で注目されているフローレンス・ピューの長編デビュー作であり、本作品をきっかけに前述の監督等が起用したいと考えたとあるように、主人公キャサリンを演じたピューは、もう既にベテラン俳優かのような演技で圧倒。
特に台詞も少なく、音楽もほぼなし、固定的なカメラワークが多いという展開であるが故に、よりいっそうピューの存在感が際立っている。
物語は静かに進むものの、かなり衝撃的な内容であり、ピュー演じるキャサリンの狂気を兼ね備えたしたたかさと、口ばかりで情けなさばかりが目立つ男性陣との対比が強烈。
ピューの表情で語る完成された演技と肢体に魅了されるとともに、ピューのことを少しでも気になっている人は、是非押さえておきたい一作。

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