回想シーンでご飯3杯いける

コロンバスの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

コロンバス(2017年製作の映画)
3.7
モダニズム建築の街として知られるコロンバスを舞台にして描かれる、年の離れた男女の物語。

高名な建築学者の父を見舞うためにコロンバスを訪れた韓国系アメリカ人の中年男ジン。建築に詳しく、コロンバスの図書館で働く少女ケイシー。コロンバスでたまたま知り合った2人であるが、建築学に対する感情は正反対だ。

物語は会話を主軸にして描かれるのだが、2人のアップではなく、背景に当地の建築物を配置しているのが特徴。ケイシーの印象的なセリフで「非対称でありながら絶妙なバランスをを保っている」というのがあったが、それは建築物と2人の関係を対比しているのだろうし、恐らくは全ての背景物に、そうした比喩が込められているのだろう。

いやー、それにしても20歳前後の女性が一時的に歳の離れた中年男性に惹かれる現象を何と呼べば良いのだろう。日常的な生活臭を感じさせない美しい街並みだからこそ作り得た、不思議な感触を持つ作品だ。