子供の頃、お喋りが過ぎて父母の離婚を招いた事がトラウマとなっている成瀬順は、それ以来、喋る事が出来ずにいた。
高校三年の春、順は地域ふれあい交流会の実行委員に指名される。
担任教諭の誘導もあって、出し物としてミュージカルを演じる事を提案するが……
2015年公開の同題のアニメ映画を、『君に届け』の熊澤尚人監督が実写映画化したもの。
おしゃべりによって家族の不幸を招いた結果に卵の呪いを受けたヒロインが、しゃべると腹痛になるというハンディキャップを乗り越えて、個性的な3人とクラスメイトを巻き込みミュージカルを行おうとする話し。
アニメ未鑑賞ですが、最近多い、マンガやアニメの実写化作品の中では、これはかなりハードルの低い部類になるかと。
が、それにしてもこの映画の完成度はかなり高いと思います。
青春恋愛ものだけど、本編の恋愛要素は普通な主人公中心、ヒロインのデザインなども素朴で見やすいよう配慮されてる。
ヒロインの少女が、ある日から喋ると苦しむようになってしまった原因と、その閉じかけた心が大きく動いていくドラマが物語の一つの見所。
「ことば」を発することは、困難を伴う。
魂に大きな負荷をかける行いなのだということをあらためて、考えさせられた。
一人一人にとって、本当に言いたいことば、伝えたいことば、とは何なのだろう?
「ことば」の大切さを考えさせられる作品だった。
しかしまぁ、親になる人間は最低限のモラルがないとダメだなと感じさせた。
冒頭、いきなり不倫したのを娘に見られて、よく知らずバラされたからって娘のせいにして、トラウマ植え付けるとかクズ過ぎだろと。
こんな奴選んだ母親の価値観とセンスも終わってる。
ちなみに、エンドロールが終わった後も1分くらい続き映像あるので注意です。
結末は予想外だった。