ぴのした

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のぴのしたのレビュー・感想・評価

3.9
超かっこいいやん…

会社の経営か報道機関としての役割かどちらを取るかの板挟みの末、決死の判断を下すメリル・ストリープ。

「報道すれば会社が潰れる、しかし報道しないのなら新聞社は死んだも同然だ」「報道の自由のためには報道することで戦うしかない」と報道のあり方を熱弁するトム・ハンクス。

市民が裁判所に押しかけて新聞社を応援したり、メリル・ストリープの決死の判断の後を追って、他の地方紙が続々と同じ報道をするシーンは目頭が熱くなった。

スクープの中身がベトナム戦争に関するものだったというのもあるんだろうけど、報道によって市民が団結して政府にノーを突きつけることのできるアメリカ社会(あくまで1970年代のだけど…)、すごく民主主義が強いと感じた。

いまの日本の状況を見ても、これほど市民と報道機関が同じ向きを向いて戦ってる感はないよね。アメリカも今じゃあんな感じだし。そんな今だからこそスピルバーグはこういう映画を作ったんだろうな。

しかも男性社会である新聞業界で女性のメリル・ストリープが自身を周りに認めさせていくっていう女性の社会進出的な物語でもある。

てか撮影もやっぱすごい。走り回る登場人物を滑らかに追いかけて、その人たちの周りをグルグルと回るカメラ。見てるだけで目が回るほどのカメラワークのせいで、せかせかしい新聞社の仕事のスピード感が見ている側にガツンと伝わってくる。

あとラストシーン、ウォーターゲート事件を匂わせて終わるのかっこよすぎるでしょ。続編とか考えてるんかな。

月曜日の朝に無理して見てよかった。仕事、頑張ろうと思える。