ペンソー

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のペンソーのレビュー・感想・評価

4.0
S・スピルバーグ監督作品。
M・ストリープ、T・ハンクス主演。

ワシントンポスト紙が泥沼化するベトナム戦争をひた隠しにする政府の実態を暴き記事にするまでを描いた社会派ドラマ作品。

"ニュースの真相"や"スポットライト"などの報道機関を舞台にした作品が好きで、本作も記者が「報道の自由」を懸けて戦うという構図のカッコよさに痺れた。
さらに「女性の活躍」にも焦点が当てられており、女性の活躍が今以上に望まれていなかった男社会の中で、上に立つ女性の生きづらさがよく演出されていたと思う。

歴代の大統領が自国民を騙し続けていたという実態に怒りを覚えることは当然だし、さらに若者の命が懸かっていて、会社の存続よりも「報道の自由」でそれを暴いた主人公たちは本当にカッコよかった。

「報道の自由」を取るか「会社の存続」を取るかという電話会議のシーンはとても緊張感があり、こちらまで息を飲んで見守ってしまった。

強く凛とした上に立つM・ストリープ、記者としての使命を全うするべきという断固とした態度を取るT・ハンクス、どちらを役がとてもハマっていた。

オープニングのベトナム戦争の前線のシーンはまさしく"プライベートライアン"のスピルバーグ監督なだけあってリアル。
久々にスピルバーグ監督の描く戦場を観れただけでもかなり価値があった。

いつの時代にも「報道の自由」を心の底からの使命だと思って活動している記者がいるという事実は素晴らしいことであり、政府を監視するという本来の目的に沿って行動していることは賞賛に値することだと思う。

さすがのスピルバーグ監督作品でした。
"レディプレイヤー1"と並行して製作されたという本作、それほどまでにこの作品に対するスピルバーグ監督の意欲が伝わってきました。
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