Qちゃん

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のQちゃんのレビュー・感想・評価

3.6
ベトナム戦争の戦局・展望について米国政府が密かに行っていた分析をまとめた最高機密文書。負け戦になると何年も前から分かっていたのに、首突っ込んだからには負けを認められないと、政府がダラダラ戦争を長引かせていた事実を暴く証拠となる本書をタイムズ紙がすっぱ抜いたところ、政府から報道を封じる圧力が。当時はまだしがない地方紙だったワシントンポスト紙もコピーをゲットし、タイムズ紙が動けない間にさらなる報道を狙う。

トムハンクスが主人公かと思いきや、本当の主役は、図らずもワシントンポスト社主となったメリル・ストリープの方だった。まだビジネスで女性が軽んじられがちな中、就任経緯からもまったく社主として実質的に認められず、役員たちの言いなりだった彼女が、全てのリスクを負いながら本件を通してメディアとしての社のあり方と自身のあり方を取り戻す様に、地味に感動。

作中でも繰り返し語られる通り、歴代大統領ではニクソンが1番問題のある大統領だと思うが、いまのトランプのことを考えると、全然昔話と笑うことはできない。むしろいまの方が酷い。
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