dm10forever

ラプラスの魔女のdm10foreverのレビュー・感想・評価

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
3.2
【コントロール】

原作未読。それほどキャストに惹かれる人物が出ているわけでもない。ただ、何となく最近は邦画が見たい気分・・・ただそれだけで借りた一本。

結論から言うと「ゴメンなさい」。
どこが盛り上がりなのか最後までわからないまま、気がつけばラストだった。

「雪深い温泉地の奥地で連続して起きた謎の硫化水素死亡事件」と「8年前に甘粕家族に起きた悲しい事件」。この2つの事件のどちらかが作品の中心に来るのかによって、物語の捉え方や見え方も変わってくるという点では結果的には面白い点でもあったけど、でもどちらも一本の物語の背骨になるほど強く書き込まれているわけでもないので、イマイチしっくりこない。

つまり物語の中心を甘粕才生(豊川悦司)とするか、甘粕謙人(福士蒼汰)とするか・・・になるんだけど、それほど福士蒼汰には重きが置かれていない。
じゃあ広瀬すずなのかな・・・っていう葛藤が終始付きまとっていた時点で、迷子になってたんだろうなと。
物語で言うところの気象や自然現象をコントロールするという点では面白い設定でしたし(まぁコントロールではないか)、そこに興味を持ったので観ようと思ったのですが、どちらかというと、キャストたちの演技がよく言えば「期待通り」なんだけど、悪く言うと「振りが少ない」というか正直すぎるので、最初の印象のまま裏切られることなく進む。もう少し裏切ってほしかったな、いい意味で。そんなに役に関してまで「コントロール(お行儀)」がよくても、残らないな・・・と。特に若手!頑張れ!

何の仕掛けもなく振られたサイコロの目をまるで「予知」のように的中させる。それは「サイコロが手から離れる際の角度」「速度」「取るに足らない空気抵抗」「設置面の角度」「反発力」「摩擦力」など様々な条件から合理的に導き出したに過ぎない実に秩序的な結論。
つまり人間誰しもがこれらの「法則」から結論を導き出すことは可能であるという仮説。しかし、人間の能力的、生理的限界の為に多くの人間はその能力を発揮できないままにいる。
その能力を特殊な手術によって開放することで・・・。
設定としては面白いです。なのでこれは原作を読んだら面白いんだろうな・・・と。

広瀬すずの演技は結構好きでした。櫻井君は・・・もはやアフ○ックのCMにしかみえなかった。個人的にはリリー・フランキーさんの無機質に抑えた演技が不気味で好きでしたね。彼は声がいいから。

どうなんだろう・・・見方がわるかったのかな?
いまいちサスペンスというほどの強度を感じなかったせいで、全体がぼやけてしまった。
時間を置いてもう一回見たら感想変わるかな?
dm10forever

dm10forever