dita

夜の浜辺でひとりのditaのレビュー・感想・評価

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)
3.0
@シネ・リーブル梅田  

初ホン・サンス。新手のSMプレイかよと思いつつ、キム・ミニの可愛さと役か本音かわからない吐露にグッときた時点で監督の思うツボなんやろうなぁ。長回しの後のあのズームは、ふっと傍観者に戻らされるというか、なんか不思議な感じがした。

愛する資格とか愛される資格とか大きな話でくくってみても、今好きなのは目の前のあなたで、理性や理屈で解決出来ないこともわかってるし、これからも満たされることはないというのもたぶん彼女はわかってる。それでも好き、なんやもんなぁ。もう他人がどやこや言うても仕方ないよなぁ。

人の男を好きになったことも自分の男を好きになられたこともあるけど、それに対する自分の答えというのは確立されていてたぶん何を見ても何を聞いても揺らぐことはないから、正直監督と女優がどやこやいうてもあれこれやっても「そうか、お疲れさん」という感想しか出てこないけど、まぁ気持ちはわかる。苦しいよ実際。あの時の自分はホントにアホやったなぁと思うけど、それは今だから言えることやし。

だから安易に二人の愛を証明する為に…みたいな方向に進まずに少しだけ救いを感じるラストでよかったとは思う。勝手やなぁとは思うけど美化はしてないと思うし。芸術って大変やなぁなんて凡人の感想しか思い浮かばないけど、まぁわたしは凡人だから仕方ない。
dita

dita