こたつむり

きみがくれた未来のこたつむりのレビュー・感想・評価

きみがくれた未来(2010年製作の映画)
3.0
♪ 優しい歌 忘れていた 誰かの為に
  小さな火をくべるよな
  愛する喜びに 満ちあふれた歌

イイハナシダナー。
とは思うんです。
とてもきれいな兄弟愛が主軸ですから、心がポカポカになるのは間違いなしの物語なんです。

が、ノリきれないんですよねえ。
ググっと惹き込まれるものがないので、どうしても距離を感じちゃったんです。

これはひとえに脚本が優しすぎる所為。
パステル調の色彩で描いた感じなので「絵本」みたいな仕上がり。生々しさがないから“作り物”感が先立っちゃうんですね。

うーん。これはねえ。
僕のように生粋の“ねじりパン”であり、薄汚れちまった大人には眩しすぎます。制作者が想定した対象は10代から20代あたりなのでしょう。僕は確実に対象外でした。

そもそも、邦題からして微妙にノイズ。
物語の方向が容易に想像できるじゃないですか。「君」が誰なのか、とか。「未来」はどこに向かうものか、とか。色々と考えちゃって物語に集中できませんでした。「パンは飲み物よ」と言える年頃ならともかく、僕にはこの邦題だけで“おなかいっぱい”です。

まあ、そんなわけで。
痛みを抱えた主人公が未来に歩を進める物語。
前途洋々な若者向けなので「コレジャナイ」と思ったら“保護者目線”で捉えるが吉。あとは、ザック・エフロンのピチピチ感に心奪われるのもアリだと思います。

あと、レイ・リオッタが悪役じゃないのも地味に目玉だと思うんですがどうでしょうか。でも、いつ彼が変貌するのか…なんてドキドキしちゃう…のはB級映画の見過ぎでしょうかね。

最後に余談として。
劇中にガチョウが出てくるんですが、未だにアヒルとの違いが分かりません。どちらも白くて黄色いクチバシでお尻がプリッとしていて、まったく同じだと思うんです。ネットによると首の長さで見分けるらしいんですが…うーん。
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