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冷たい晩餐のGreenTのレビュー・感想・評価

冷たい晩餐(2017年製作の映画)
3.0
このメンツで “the dinner” となると、「大人のラブコメ?」みたいなのかなと思っていたのですが、意外な話でした。

ポール(スティーヴ・クーガン)とクレア(ローラ・リニー)の夫婦が豪華なディナーに招かれているようなんだけど、ポールはあんまり行きたくない様子。

スタン(リチャード・ギア)と ケイトリン(レベッカ・ホール)は夫婦のようなんだけど、なんかエラい年の差あるなあ。しかもケイトリンは不機嫌。スタンは政治家らしく、アシスタントみたいな人がしょっちゅう電話を受け継いでいる。

みんな名字がローマンなので、兄弟か姉妹なんだなとは分かる。ポールは歴史の先生らしい。クレアとポールの息子マイケルは友達とパーティに行ってる?一緒に居るのはスタンとケイトリンの息子たちらしい・・・。

って感じで、だんだんと登場人物の関係性や背景が明かされていく感じで、回想シーンが入っていたり、ごちゃごちゃして分りづらい!っていう悪評もあったのですが、私は面白いと思いました。

話の内容はネタバレになるので後述しますが、最初に「大人のラブコメ?」って思っていたから、息子の行動を通して「アメリカの特権階級」に言及する映画なんだ〜って気がついたときはふーん、なかなか面白いと思いました。

でも、ベストセラーの原作を書いたヘルマン・コッホはこの映画化が気に入らなくて、ベルリンでのプレミア上映会では、アフター・パーティに出ないで帰っちゃったんだって。元々は、皮肉の効いた話だったのに、映画はアメリカの暴力や精神病に対するスティグマの話になっていて「説教臭くて台無しだ」と言っていたそうです。

原作ファンの人たちも概ねガッカリした様子。

でも私はそれなりに面白かった。確かに分かりづらくてイライラする人もいるだろうな〜と思うけど、それほど気にならなかったし、みんな演技は良かったと思う。議員の息子とかが悪いことしても逃れられるって話も「ありえるよな〜」って思うし。

ただ、ポールを取り巻く精神病の話や、南北戦争の話、「なぜ入れているか」は分かるけど、あんまり効果的じゃないなあと思った。あ、あと、メインになっている、コース・ディナーを追う構成は全く意味ないと思った。

ネタバレはコメント欄で!
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