【ネタバレなし】
構造的に映画として変換されていないように感じました。
舞台向けの作りのような…。
剛田飛鳥(吉田羊)が、自分の行動や内面を全てセリフやナレーションでトコトン解説しまくりますが、もっと、主演女優である吉田羊の演技や他の俳優さんたちに託してもよかったんじゃないかな〜と感じました。
折角これだけの俳優さんたちを使っているのに勿体無い。
状況を言葉で解説するよりも、一瞬の表情や構図を計算すれば、むしろより雄弁で深い感情が表現できたように思います。
美形の吉田羊さんだから敢えてなのかは分かりませんが、超ドアップの画面がやたら多いのも気になりました。
想像の域を出ないのですが、ポップでデザイン的で描き込みの少ない少女漫画を映像化した画面を作りたかったように感じましたが、例えば中島哲也監督の『嫌われ松子の一生』とか、大根仁監督のような映像の面白さの域まで到達しておらず、ただただスカスカな印象を受けました。
それに合わせたような彩度を上げた色合いも、役者さんによってはドーランが不自然な程、違和感のある色味になってしまっていて、意図した笑いとは計算外の滑稽さが生じてしまっていて、ちょっと可愛そうでした。
もしかすると地上波放送の暁には、それら全てが丁度いい塩梅に収まる計算なのかもしれませんが、劇場のスクリーンでこのバランスはキツかったです。
俳優たちの演技力や、映像を作るスタッフたちをもっと使えなかったのかな…と思いました。