コーディー

ありふれた悪事のコーディーのレビュー・感想・評価

ありふれた悪事(2017年製作の映画)
3.7
軍事政権の保護という名の工作や捏造など悪行三昧な国家安全企画部。そんな組織に目をつけられ片棒を担がされるごく普通の刑事の歯止めの効かない破滅が凄まじい。ありふれた悪などという甘い目算も誤算に気付いた時には既に沼の中。弱さにつけ込まれた男の醜態に情けも届かない。

いやいや後戻りの機会はあったはずやで〜な悔やんでも悔やみきれない絶望。家族や息子の幸せを天秤に掛け軽率に踏み外してしまった悪人ではない男の転落はひたすら悲愴に満ちてる。普通のおじさん演じさせたら抜群なソン・ヒョンジュの威勢も生気も失っていく姿が哀しいし、てかあの顔反則w

まあ終盤ちょい雑な展開多めやし民主化の波を盛大に絡める辺りも良くも悪くも韓国映画らしい。ここまでの容赦なさを多少は和らげてたし想定内w
にしても極悪非道な安企部室長を演じたチャン・ヒョクが良いね。ヒョンジュやサンホなど濃いオッサン多めな映画なので憎々しい悪役ながら冷たくも美しかった。