次男

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)の次男のレビュー・感想・評価

4.4
「お母さんに新年の挨拶の連絡してないでしょ?なんか怒ってるよー」って妹からメッセージが来たので、母親に『あけましておめでとうございます』とメッセージを送ったら『どちらさんですか?』と返ってきた。『息子ですよ』と返した。父親と兄にも挨拶してないなあと思ったけど、携帯をいじる時間はあるのになぜかそれは面倒で、まあいいや、と考えるのをやめた。

断じて不仲ではないし、かと言ってべったり良好でもない、僕と僕の家族。0にも100にもならない絶妙さはこうやって構築されてくんだなあ。マイヤーウィッツ家も然り、ドラマにも映画にもならない、0でも100でもない家族。65とか、72とか、そういう中途半端な数字で、それでも倒れない家族。映画が終わっても100になってない。少なくともわかるのは、39とか58とかでも家族は続くのだということ。

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大量の台詞に、劇的でない演出、ドライなカットアウト。ウディ・アレンを引き合いに出されるのがよくわかる引き算のテンションがとっても心地良くて、観終わって2回目すぐおかわりしてしまった!

アダム・サンドラーとベン・スティラーの絶品兄弟。芝生で緩く真剣に殴り合う中年の喧嘩なんて最高だった。彫刻の作品名はもちろん、サングラスやお互いの子供との関係、父の話す内容、いろんなもので区別をつけられた兄弟。生々しく兄弟。

ダニーの娘エライザの存在感が面白い!
父親の呪縛に囚われた三人兄妹と違って、エライザは飄々と生き抜けていて、もしかしてこれって世代間の違いだったりするのかな。親の影響力の受け方の違いというか。(なんて考えてしまうのはノア監督の前作のせいかな)
ダニーとエライザが連弾で歌った歌、とても素敵。2回目に観てるとき、「これ、ハロルドとダニーの関係にあてはめると切ないなあ」とか思ったり。パパとママと天才"少年"。もしかしてダニーが一番歌ってほしかった歌だったりするのかな。

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"マシュー"の真実は、マシューは知ってダニーは知らない。これは、真理のひとつなのかもしれない。

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(New and Selected)ってつけれちゃうセンスがまた素敵よな〜〜。ノアバームバックとマイクミルズに導かれて生きていこう!
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