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シェイプ・オブ・ウォーターのfuoのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

リアリティのある描写により最後まで引き込まれる映画でした。

内容は、クリーチャーとイライザ(サリー・ホーキンス)のロマンスでしたが、「遺物」と表現されていたように、モンスターも人間も本質は変わらないという主張が強く感じられました。フランケンシュタインと怪物のような。

あらゆる場面からこだわりが感じられ、緑や青の色彩が印象的です。なんといってもラスト、水の中での抱擁場面は素敵で見ものです。

そして、脇を固める登場人物も印象的でした。ゲイである親友ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と何かと気にかけてくれる同僚ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)の人間性に惹かれました。信用できる人物って本当に大きいですよね。

容赦のない描写も多いのが特徴的な映画でもあります。時代設定もありますが、ジャイルズがパイ屋の店主の差別的な性質を目の当たりにする場面は胸が痛いですね。店主のあまりに露骨な態度は見るに耐えませんでした。
ストリックランドの独善的で、残虐な行動も多く描かれ、特に終盤の場面では目を覆いたくなるような部分も。彼こそ、モンスターであるかのよう。

物語の最初と最後はジャイルズの語りですが、ラストの描写は監督らしいですね。あくまで、その後は誰も分からないという。不思議な世界観が印象的な映画でした。
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