トランジェンダーの凪沙(草彅剛)が従姉妹の娘・一果(服部樹咲)を一時的に預かることで始まる物語。
ずっと観たかった作品ではあったのですが、多くのレビューにもあるように私もかなり揺さぶられました…。
「あんたのために働いとるんじゃろが!」
「今ね、流行ってますよね。LGBTね」
2人を通して描かれる世界の残酷さと美しさがなんとも言えませんでした。孤独な人間の強さと弱さが共に描かれているのが印象的です。
中でも、凪沙が精神的に不安定になり一果に対して問いかけながら嗚咽する場面は頭から離れません。
「私は怖い?私、気持ち悪い?」
「なんで私だけ…」
凪沙の人間性も素敵でした。一果の反抗的な態度も全て受け入れ包み込むように受け止める愛情深さには感服しました。また、自傷行為に走ってしまう一果を強く抱き締め「強うならんといかんで」と訴える場面も感動しました。娘のことを第一に考える母の姿そのものでしたね。
私も凪沙のように強く生きなければと思わされる作品でした。辛くて涙が止まらないような時に「泣けば治まるわ」と放つ彼女のことは忘れられません。