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ろくでなしのnagashingのレビュー・感想・評価

ろくでなし(1934年製作の映画)
3.0
ワイルダーの初期作。周到なシチュエーションの構築ではなく、人物の衝動とカーチェイスの強勢で牽引していくのが新鮮。ネクタイやナンバープレートなどの小道具使いは、後の作品ほど冴えてはいないものの萌芽が見られる。初対面するピエール・ミンガンとダニエル・ダリューの扉をまたいだ切り返し、帰路につくふたりを足もとからフレームインさせる移動撮影、更生を誓う彼らの前に輝く海が広がるショットなど、男と女の転機を見事に映像で語る。シュヴァリエのモノマネは似てなさすぎて笑った。
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