綾

ライオン・キングの綾のネタバレレビュー・内容・結末

ライオン・キング(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ディズニーは絶対王者だし、ハンスジマーは神様だと改めて確信。つよい… つよすぎる…

つよすぎるといえば 初体験の DOLBY CINEMA。こちらもめちゃくちゃつよかった…
IMAXと迷って、今回は関西初上陸と謳われていた DOLBY を選択してみたけど、最高の映画空間に初っ端から度肝を抜かれた。本編前の「これが DOLBY です」的なパフォーマンス映像がまず凄くて、圧倒された私はミーアキャットのごとく固まってしまったよ… ちょっと恐怖すら覚える程の迫力… 非常につよかった。これでレミゼが観たい…って欲望が、正直ずっと片隅にありました。笑

そして なにより、「サークルオブライフ」のかっこよさが相変わらず桁外れ。あの音楽、なんでこんなにもダイレクトに響くんだろう。条件反射のように泣けてきちゃう。ああ… すごい… すごい… しか思い浮かばなくなる。
近頃 心も身体もヘトヘトで「私ってなんで生きてるんだっけ」と思っていた気持ちが、巨大な生命の輪に見事呑み込まれていくのを感じて、心の底から感動した。
私達人間も生命の輪を感じて 謙虚に誇り高くありたいものだなぁ と思うけれど、やっぱりそうあるには 傲慢で孤独な進化を遂げてしまっていて… なんだか郷愁にも似た想いで 冒頭とラストの「サークルオブライフ」を見つめてた。あの「永遠」にも似た豊かさと気高さ、厳しい現実ゆえの生命の眩さ… 感激せずにはいられないな。
もちろん 人間社会には人間社会なりの良さがあるのだろうけど、プライドロックの生命の秩序が放つ圧倒的輝きにはなにも敵わない。「生きるってなんやねん」って腐りかけてた私の心に光をありがとう。あの音楽は本当に、生命の賛歌だ。

他にも、「早く王様になりたい」と「ハクナマタタ」は楽しすぎてついつい(声を出さずに)口ずさんでしまったし、「愛を感じて」はあまりの美しさに溶けそうになった(この曲のイントロが好きすぎるんです)。やっぱり音楽が最高の映画って最高です!!!

実写版ならではといえば、スカーの冷酷さが増していたのも印象的。アニメーションより更にひんやりと暗い悪役で魅力的だった。あの沈んだ目に暗い境遇が映し出されているようで、情けをかける訳にはいかないけれど、どうしても哀れに思ってしまった。
スカーやハイエナ達の存在が、「世の中みんなが幸せに…なんて有り得ないんだよ」と言っているようで、社会の縮図を見た気がした。あの気高い「サークルオブライフ」を持ってしても、その輪に加わることのできない(秩序を乱すからと排除される)存在もあるのだと、言い表せない虚しさを感じた。世知辛いな。…なんて言葉で片付けたくないけれど。
こういうところがいつまでも幼く甘い所以なのだけど、やっぱり私は「勧善懲悪」ストーリーがちょっと苦手だ。

何はともあれ、実写版、めちゃくちゃ良かったな。めっちゃ好きなやつでした。
「乏しい」と噂されてた動物達の表情含め、驚異のリアルさに感服。あの「動物らしい」表情の動き、私は好きよ!
原作アニメーション、ブロードウェイ/劇団四季版に加え、新たに実写版(CG版?)の良さも味わえて幸せ。みんなちがってみんないい。

そしてやっぱり、シンバは愛しのわんころにしか見えず、世界中の愛犬/愛猫家が鑑賞後にしたであろう「プライドロックごっこ」、私もするぞ。笑
綾