グラッデン

ちはやふる ー結びーのグラッデンのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
4.2
み・ず・さ・わ・ファイトォォ

大ヒットの2部作に続くシリーズ完結編。前作を振り返ると、団体戦を戦うチームの結成から固い結束に至るまでの流れを魅力的に描いた「上の句」、主要人物たちの心情の揺らぎを丁寧に描いた「下の句」という異なる魅力を生み出していたと思いますが、本作は両作品の要素をバランス良く組み合わせて作られていたと思います。

さらに、シリーズとしての連続性をエピソードの進行に緩やかに活かしつつも、単体の作品としても魅力的な作品に仕上がっていた点も良かったと思います。その意味でも、本作の小泉監督の手がけた脚本の作りが本当に素晴らしかったと思います。

また、作品の魅力を語る上では、『上の句』から感じていたことですが、本作も広瀬すずさんのマンガ的な表現に近い表情作りに加え、ナチュラルな身体能力の高さを感じさせる競技シーンの説得力に繋がっていたと再確認。スロー演出の多用は気になったところですが、カメラワーク等の魅せ方の工夫は面白かったです。

彼女に限らず「上の句」を牽引した競技かるた部の面々の好演が光ったのは嬉しかったです。邦画のティーンズ作品において、こうした役回りを上手く描けないケースは少なくないのですが、それぞれの個性が上手く絡み合うことで、チームとしての魅力を引き出していましたし、出番は限られたものの、物語を通じて新入部員もその輪に上手く組み込めていたかと。

そして、松岡茉優さん・國村隼さんといった(本作においてはガヤ的な立ち位置であっても)脇を固める人たちの戦闘力が異常に高いことを改めて実感させられました(汗)

様々なハードルはあったと思いますが、非常に良いシリーズでありましたし、リアルタイムに劇場で結ぶことが出来たのは本当に良かったです。