『ミツバチのささやき』ビクトル・エリセ監督の31年ぶりの新作。
元映画監督の主人公が、テレビ番組の企画を契機に、失踪した古い友人の足跡を追う。俳優だった友人は、主人公が監督を務める作品の撮影中に姿を消したのである。彼は何故姿を消したのか？回想と真相、そして眼差しを巡る物語。
最近よく書いてしまう表現だが、アートフォームにとしての映画に対する生前遺言のような作品だった。産業としての映画はまだ生き残るかもしれないが、芸術表現としての映画の余命あるうちに残しておきたいという思いを感じ取れた。
こうした作品の姿勢に対して、鑑賞者としてはスクリーンから向けられた眼差しから様々な感情をわき起こった。「何故、映画を見るのか？」を改めて考えされられる作品でもあった。映画好きなら是非。
