幼い頃も貞子が怖かったのですが、今見ても怖かった〜！
『邪眼霊』で産声を上げた、Jホラー表現はこのリングで完成を見たといっても過言ではないです。
本作は、鈴木光司原作の『リング』にあるミステリー要素を大幅にカットし、呪いのビデオや貞子の不気味さに焦点を当て徹底的にホラー作品として制作しているのです。同監督脚本コンビの前作『女優霊』からまた一段進化した恐怖表現が展開されます。
作品全体の冷たさと全体的に仄かに芳る死の香り堪らないです。
古典的な因果応報ものとは異なり、呪いのビデオを観ただけで死ぬという不条理極まりない、無差別型の呪いという設定です。作中、主人公・浅川玲子と高山竜司が貞子の遺体を見つけて弔い無念を晴らそうと奔走しますが、これも意味はないという。
呪いのビデオ・貞子に関する明確な答えがないから怖いんですよね。
そんな設定もさることながら、あの呪いビデオが怖い。見てはいけないと直感的に感じる不気味さは一級品。VHSというのが怖いんですよね。
それな何と言っても貞子ですよ。
こちらの恐怖を散々煽っておいて、最後に特大アタックとして、テレビか貞子が出てくるという。逆再生で不気味さを出し、最後の目は助監督がまつげを全部抜いて、徹底的に人間らしさを排し、この世ならざるものである事を演出しているという。文字通りテレビから出てきたことにより、貞子はJホラーのスターになりました。
いやー本当大好きな作品です。
