ユミコ

グッド・タイムのユミコのレビュー・感想・評価

グッド・タイム(2017年製作の映画)
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ニューヨークの貧困地区が舞台。序盤で既に兄のコニー(ロバート・パティンソン)の、知的障害者の弟のニック(ベニー・サフディ・監督 )に対する異常な溺愛ぶりが表れていた (「お前の仲間は俺だけ。」などと弟に言ってみたり、カウンセリング中、些細な事で弟が涙をこぼした途端、カウンセラーに「弟を泣かせた!」などと罵倒してみたり…)。
兄は弟を連れて銀行強盗を働くが、ほどなく逮捕される。但し残念ながら弟だけ…。
獄中で弟は酷い目に遭っているに違いないと(その通りだった)兄は一刻も早くそこから弟を出そうと奔走するお話。

この先どーなる? 次は何処へ? 何が舞い込んでくる?ってなる緊迫感がイイ。
ただただ弟を思うがためにした兄の行き当たりばったり過ぎな行動の全てが、やればやるほど、どんどんどんどん兄自身を落としていく。この兄弟は別々に生きたほうが… ってなる。確かにココでは弟を思っているのは世界でこの兄一人だけなのだけれど……。
タイトルの意味はどうなんでしょう? 全ての成行きを皮肉ってるのかな… 。

兄弟の演技、素晴らしい!兄の終始ピリピリした表情や、弟の強気だったりオドオドしたりする様…。
BGM、ストーリーにピッタリくっついていてハマっていたし、EDのイギー・ポップ、あのラストカットからの流れが絶妙。
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